保険証の将来的廃止を マイナカード普及へ自民が提言案

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豊岡亮 西村圭史
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 自民党は17日のデジタル社会推進本部(本部長・下村博文政調会長)で、デジタル化の推進に向けた第1次提言をまとめた。マイナンバーカードが近く健康保険証として利用できるようになることを受け、保険証を将来的に廃止するよう求めている。カードの普及を後押しするねらいだ。

 提言は18日に政府に提出される予定で、2030年の将来像と25年までの改革工程表を今年末までに示すことも求めた。関係省庁は具体的な工程表づくりに着手する見通しだ。

 マイナンバーカードは来年3月から、本人が希望すれば保険証の機能を上乗せし、6割程度の医療機関で使えるようになる見込みだ。来年秋以降、薬の利用歴を本人や医療機関などが閲覧したり、医療費情報を確定申告に活用したりできるようにもする。ただ、多くの人がそのまま保険証を使い、カードへの移行が進まない可能性もある。

 そこで提言では、法令で健康保険組合などに課される保険証の発行義務を緩め、「将来的に健康保険証を廃止する」とした。いずれは保険証の発行をやめることで、カード利用を促したい考えだ。

 平井卓也デジタル改革相は17日の会見で、保険証の将来的な廃止について「カードの取得が進めば、将来的には保険者(保険組合など)の判断で発行しなくてもよいというのは当たり前。保険証発行のコストも助かる」と述べた。

 ただ、カードを取得するかどうかは任意で、政府が9月から大規模なポイント還元を実施しているにもかかわらず、取得率は2割強にとどまる。カードを持たない人が多いまま保険証を使えないようにすれば、健康保険を利用できない人が出たり、カード取得が事実上の義務となったりするおそれもある。

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