コロナ禍転じて麺となる 三つ星料亭、鯛ラーメンに挑む

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高井里佳子
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 コロナ禍に多くの経営者が苦しんでいる。京都有数の老舗料亭、「瓢亭(ひょうてい)」(京都市左京区)もその一つ。懐石料理の名店が16日にネット販売を始める異色の新商品「鯛(たい)ラーメン」には、そんな苦境を「新しい仕事を生み出す」ことで乗り切ろうという思いが込められているという。

 鯛ラーメンは、瓢亭で常に食材に使っている明石のタイの骨をベースに、香味野菜などと煮込んで作ったスープが特徴だ。トッピングで、タイの切り身や九条ねぎ、タイの形をした麩(ふ)、黒七味なども付いてくる。

 厨房(ちゅうぼう)で、15代当主の高橋義弘さん(46)に作ってもらった。ラーメン屋で見かけるタオルのはちまきや豪快な湯切りはないが、丁寧かつ手際良く麺をゆで、トッピングを乗せ、仕上げにユズの香りを移した油を一回し。黒七味をかけるといい香りが広がった。

 瓢亭は本来、何品もの料理を順に楽しむ懐石料理の店だ。夕食なら平均3万円はかかる高級店でもある。メニューに「締めのラーメン」はもちろんない。高橋当主も「味が舌に残る」ため、普段はラーメンは食べない。だが、こう言う。

 「懐石料理は一皿ごとに趣向が異なる楽しみがある。ラーメンは1杯でおいしさが凝縮されている」

 この一品が生まれたのは、コロナ禍のおかげだ。

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 3月から予約のキャンセルが…

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