「核のごみ」で町長を追認した議会 公開の議論少なく

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原田達矢 佐久間泰雄 伊沢健司 斎藤徹
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 北海道寿都町が「核のごみ(原発から出る高レベル放射性廃棄物)」の最終処分場選定プロセスの第1段階の「文献調査」に応募したことを巡り、異議を唱える町民が制定を求めた住民投票条例案が13日、町議会で否決された。片岡春雄町長が応募を主導する一方、議会はほとんど公開での議論を行わないまま、町長の決定を追認する形となった。(原田達矢、佐久間泰雄、伊沢健司)

 「住民投票もせず、町長が支持を受けているかどうか、ごまかしたままにするのは町を分断する。今、白黒はっきりさせたほうがいい」。13日午前に始まった町議会臨時会の冒頭。水産加工業者らでつくる「子どもたちに核のゴミのない寿都を! 町民の会」共同代表の三木信香さん(49)が、条例制定を求める代表者として意見を述べた。請求に至るまでの経緯や他の自治体での住民投票も例に挙げ、条例の必要性を訴えた。三木さんは「これから大人になる子どもにも話していかなければならない大事な問題。ぜひ住民投票の実現に力を貸して下さい」と訴えた。

 討論では町議9人のうち4人が賛成意見を述べた。沢村国昭町議は、住民投票が憲法地方自治法で認められた権利だと指摘。このままでは賛成と反対で割れた住民の溝は埋まらないとし、「満場一致で住民の意思に寄り添う答えを出してほしい」と述べた。

 一方、木村真男町議は反対意見で「(文献調査で行う)地盤調査やそれによる交付金は、地域振興や財政基盤の確立につながる」と主張。「町長の下した決断に対し、民意を把握するのは整合性を欠く」とも語った。反対の立場で発言した議員は木村氏1人だった。

 その後議長を除く8人の挙手で採決され、4人が賛成。小西正尚議長の判断で改めて無記名投票が行われ、賛成と反対が4対4で割れた。最終的に小西議長が反対の立場を示して否決。その後、町民の会が出した住民投票条例に関わる請願も不採択となった。

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 終了後取材に応じた小西議長…

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