富士そば運営会社「悪しき風習」 勤務記録改ざんは長年

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江口悟
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 立ち食いそば店「名代富士そば」の店舗運営会社の一部が、正社員が残業をしていないように見せかける勤務記録の改ざんを長年続けていたことがわかった。店長らの残業記録を書き換えるなどしていたといい、会社側は取材に「以前からの悪(あ)しき風習だった。不適切な取り扱いで、すでに是正した」と説明した。

 会社側が改ざんを認めたのは、店舗運営会社8社のうちダイタンディッシュ、ダイタンキッチン、ダイタンイートの3社。ディッシュ社では5~6月、従業員が働いた日を、雇用調整助成金の申請対象となる「特別休暇」と記録するよう役員が部下に指示していたことが明らかになっている。

 3社の正社員のうち「富士そば労働組合」に加盟する係長や店長ら18人が「実際は長時間の残業を強いられ未払いの残業代がある」と主張。13日までに、過去2年分の未払い額計約2億5千万円の支払いを求める労働審判を東京地裁に申し立てた。

 組合側は同日会見し「店長らは平均月200時間もの残業をしてきたのに記録上はゼロにされてきた。1日8時間労働、土日出勤なしに見せるため、定時以外の勤務記録を消す作業を役員の業務命令でやらされた」と訴えた。

 ダイタングループは「固定残業代制度」として、正社員の残業代を役職手当などに含めて定額で支払っていたという。グループ企業を統括するダイタンホールディングスによると、勤務中の係長らのタイムカードを午後6時ごろにまとめて押して退勤扱いにしたり、店長らの勤務記録を毎月の締め日に書き換え、残業していた記録を消したりしていたという。

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 同社は「残業時間が定額の範…

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