鳴き声が脳裏に…鳥インフル殺処分、涙を浮かべる職員

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大野正智 松尾由紀
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 今季4例目の鳥インフルエンザが確認された香川県。1週間余りで立て続けに発生しており、鶏の殺処分などにあたる県職員たちのストレスも募っている。

 最初に発生が確認された三豊市養鶏場では、県職員延べ約1千人以上が動員され、約30万羽を殺処分した。部署に関係なく招集され、県が災害派遣を要請した自衛隊の隊員らと24時間態勢で作業にあたった。

 「いまでも鶏の鳴き声や暴れる姿が脳裏に焼き付いている」。総務部の男性職員(34)は、殺処分に携わった時の様子を目に涙を浮かべて振り返る。

 最初に鳥インフルが確認された三豊市の養鶏場に殺処分の要員として派遣された。防護服、手袋を二重にし、マスク、ゴーグルをして作業にあたった。

 大半は感染していない元気な鶏だ。手づかみで鶏をケージから1羽ずつ取り出して大きなプラスチックの大型バケツに移し替え、炭酸ガスを注入し続ける作業を4時間続けた。鶏は激しく鳴き、暴れる。

 「鶏が悪いわけではない。本当にかわいそうで嫌な作業だった。でも早期の収束のために手を止めている時間はなかった」

 県では、鳥インフルエンザ発生に備え、優先的に養鶏場に派遣する職員を毎年度約700人選び、座学と実地による防疫研修を実施している。男性職員は12日までに、卵の処分や鶏舎の消毒も含め計3回、養鶏場に派遣された。

 県は養鶏場で作業にあたる県職員に対しては、作業前後に医師の問診を受けさせ、体調管理に努めているという。(大野正智)

「決して香川だけの問題ではない」

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 鳥インフルエンザの発生が相…

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