第2回「不可欠な歴史に光を」谷垣禎一元法相、訴訟記録を語る

有料記事訴訟記録はなにを語る

編集委員・奥山俊宏
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 自民党の総裁や幹事長を歴任し、自転車事故で政界を引退した谷垣禎一(さだかず)氏(75)が、訴訟記録などの公文書の保存と公開をめぐり、朝日新聞記者のインタビューに応じた。

 陸軍の青年将校がクーデターを起こそうとして首相官邸などを襲撃した2・26事件に関する軍法会議の記録を、法相として東京地検から国立公文書館に移管すると決めた谷垣氏。公文書館の審査がこの9月にすべて終わり、全67冊の記録が一部を除き公開され、谷垣氏は「どういう立場に立つにせよ、事件の事実関係がどういうものであったかは、いろんな形での検証、たびたびの歴史的検証に値する」と記録公開の意義を語った。

 また2・26事件に限らず、重要な刑事・民事の訴訟については判決だけでなく、訴訟記録そのものを公文書館に移管していくべきだとも提言した。

 谷垣氏は2012年12月に法相に就任して間もなく、麻布中学時代の同級生、香田忠維(ただつな)氏(75)の訪問を受けた。2・26事件の刑死者の遺族らでつくる「仏心会」の代表理事を務める香田氏は、東京地検が保存する同事件の訴訟記録を国立公文書館に移管し、公開できるようにしてほしい、と谷垣法相に要望した。谷垣氏が秘書官を通じて確かめると、公文書館に移管する方向で省内で検討を進めているところだったという。

後世に残すべき貴重な訴訟記録が無造作に捨てられたり、活用から遠ざけられたりしています。その実情を検証し、是正への動きを6回にわたって追います。

 谷垣氏「武力を使ったクーデ…

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