中国の軍事圧力は「米国引き出す狙い」 台湾議長に聞く

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聞き手・石田耕一郎
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 米中対立が深まるなか、台湾は中国から強い圧力を受けつつ、米国との関係を強めている。香港の民主化運動への支援姿勢を鮮明にし、民主主義を旗印にした「価値観外交」も強化している。その狙いを游錫堃立法院長(国会議長)に聞いた。

 ユー・シークン 1948年、台湾北東部の宜蘭県生まれ。貧しい農村で育ち、苦学して政治家を志した。86年の民進党結党時のメンバーの一人。宜蘭県の首長などを経て陳水扁政権時代に行政院長(首相)や民進党主席を歴任し、今年2月から現職。

 Q 台湾立法院(国会)は10月、1979年に失った米国との「国交」の回復を、蔡英文(ツァイインウェン)政権に求める決議を与野党で決議しました。ただ、政権は慌てない考えです。

 A 米議会は近年、次々と台湾支援の法案を提出しており、世論も台湾に友好的だ。今回の決議はそうしたことを踏まえたもので、蔡総統や政権に後顧の憂いなく国交回復に取り組んでもらおうという立法院の意思表示だ。ただ、実現に向けてどうやって政権を促すかは、米政府の考えや米国の利益など多くの要素を考えねばならない。中国の反応も考慮する必要がある。

 Q 米政府は台湾支持の姿勢ですが、米国の経済界などには対中関係改善を求める声もあります。今後、台湾政策も変わるのでは?

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 A 私は米国を信じている…

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