斜め上行くPS5 浜村弘一氏「進化の形、任天堂近い」

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聞き手=鈴木康朗
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 「進化の形は任天堂に近く、斜め上に」。12日に発売された新型ゲーム機「プレイステーション(PS)5」を、ゲーム雑誌「ファミ通」の編集長を長年つとめた浜村弘一・KADOKAWAシニアアドバイザーはこう評します。どこが変わったのか、ゲーム業界にどんな影響を与えるのか。じっくり聞きました。

――7年ぶりにソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が投入したゲーム機です。ライバルの任天堂は、コントローラーや遊び方に特徴あるゲーム機を出すことが多いのですが、今回のPS5を、どうみていますか。

 「任天堂のゲーム機はいつも、エポックメイキングでした。『ニンテンドースイッチ』は持ち運びできてテレビとつなぐこともできた。2画面のニンテンドーDSとか、コントローラーが特徴的なWii(ウィー)であるとか。それに比べて、ソニーのゲーム機は正統進化形なんです。世代が変わる間にグラフィックがきれいになるという、真っすぐな進化をしている。任天堂の方がユニークでした」

 「しかし、今回のPS5の進化の形は任天堂に近い。3Dオーディオであったり、振動でゲームの世界の『触感』を体感できるコントローラーであったり。なによりロード時間がむちゃくちゃ速い。ゲームの手触り感がまるで変わります。遊び手のユーザーの方を見て手触りが大きく進化したという意味で、正統進化に加えて、ちょっと斜め上に行っている感じがします」

 「映画にたとえると、PS5は通常上映と4DXの差といえるほど直感的なゲームに進化したといえるでしょう。今までは、ゲームの場面転換などでデータ読み込みに時間がかかる際、色々な演出でわからないようにしていました。それが不要になるのでは。よく『Now Loading…』というのがゲーム中に出てきたと思いますが、一切なくなるような気がします」

 「任天堂は以前、光学メディアのソフトを使わずにずっとROMカセットを使っていました。読み込みを遅くしたくなかったんですね。『Now Loading…』」となったら気持ち冷めるよね、というのが任天堂。そこにソニーが注目したことは大きなポイントです」

――「PS4」以来、7年ぶりの新機種です。今回は単なるバージョンアップ以上の意味がありますか。

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 「いい意味でバージョンアッ…

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