こんな時代だからこそ映画「浅田家!」国際賞に監督思い

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構成・佐々木洋輔
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 三重県津市が主なロケ地になった映画「浅田家!」の中野量太監督(47)が、イオンモール津南(津市)で開かれたトークショーに参加した。出演後、報道各社のインタビューに応じた。全国の映画館の中でイオンシネマ津南は、観客動員数1位(10月2~26日)を記録。作品は第36回ワルシャワ国際映画祭で、邦画初となる最優秀アジア映画賞を受賞した。その喜びや津の印象、コロナ禍での映画への思いを語った。

 なかの・りょうた 京都市出身。大学卒業後、日本映画学校(現・日本映画大学)で映画を学んだ。脚本・監督を務めた「湯を沸かすほどの熱い愛」(2016年)が、第40回日本アカデミー賞で優秀作品賞、優秀監督賞、優秀脚本賞など6部門を受賞。

海から感じる温かさは津の象徴

 津の人たちは温かいですね。ふるさとに迎え入れてもらったような感覚です。

 映画興行は通常、大都市の占める割合が半分以上です。地方都市のスクリーンが動員数1位になることは通常あり得ません。だから映画公開後、盛り上がっている津でイベントをやりたいと、言ってきました。

 津ヨットハーバー前の防波堤から眺める海。遠くに造船所が見える場所です。大きくて包まれている感じがして温かいんです。この海の風景は、津の人たちが心を休める場所のように思えたし、津の人たちの人柄を表している象徴のようにも思えました。

 だから、映画では主人公が悩んでいるとき、その海を見ているカットを撮りました。父が主人公に温かい言葉をかけているときも、その海を撮りました。

 映画の後半は東日本大震災の津波の話になります。日常を奪った東北の海は、津の海との対比ですね。

 でも、東北の海も温かい海に戻ります。そういうふるさとの温かさを意識して描きました。

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 映画を撮っていたとき、コロ…

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