否決直後に都構想「簡易版」? 維新の新制度検討が波紋

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本多由佳 森下裕介
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 大阪維新の会都構想の「簡易版」といえる新制度の検討を打ち出し、波紋を広げている。「広域行政の一元化条例案」と「総合区設置案」だ。住民投票で半数近くの賛成を得たためだとしているが、自民、共産両党は「都構想は否決されたばかりだ」と猛反発。公明党は様子見で、実現の見通しはたっていない。

 口火をきったのは維新代表の松井一郎大阪市長だった。5日の記者会見で「大阪府大阪市の対立や二重行政をなくすルール作りをやっていきたい」と表明。府と連携して行政運営している現状を制度化する新しい一元化条例案をつくる方針を示した。

 6日には代表代行の吉村洋文府知事が踏み込む。現状を制度化するだけでなく、都構想で市から府へ移管するとしていた約430の事務が検討対象になると表明。「仕事と財源はワンセット」とも述べた。すべて対象になると、市の約2千億円の財源も府へ移ることになる。

 総務省によると、事務の委託や代替執行は議会の議決を経て規約を定めればできる。府と市は来年2月の定例議会への条例案提出を目指している。約430の事務すべてを移管すれば都構想とほとんど変わらない規模での変更となり、対象を絞り込めば現状とあまり変わらない。担当者は「これから調査、検討する段階だ」とする。

「二重行政なくすことが示された民意」と強調

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 もう一つ打ち上げたのは、八…

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