アーモンドアイは強い でもあの日のオグリにかなわない

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斉藤勝寿
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 牝馬(ひんば)と牡馬(ぼば)に無敗の3冠馬が誕生したり、アーモンドアイが芝のGⅠレース8冠を達成したり、今年の競馬界は史上初の出来事にわいた。だが、空前のブームを起こしたという意味では、30年前のこの馬にはかなわない。「芦毛(あしげ)の怪物」と呼ばれたオグリキャップだ。

 1990年12月23日、千葉県船橋市中山競馬場。引退レースとして臨んだ第35回有馬記念。4枠8番のオグリはスローペースの中、中団を進み、最後の直線で先頭に立ち、内からホワイトストーン、外からメジロライアンが追い上げてくるのをかわして優勝した。実況のアナウンサーは「見事に引退レース、引退の花道を飾りました。スーパーホースです、オグリキャップです」と絶叫。詰めかけた17万人を超える大観衆からは「オグリコール」がわき上がった。

地方競馬から中央に進出

 物語性の豊かな馬だった。まずは地方競馬の出身ということ。87年5月に岐阜・笠松競馬場でデビュー。12戦10勝の好成績をひっさげて、88年に中央に進出する。

 中央入りしても重賞レースを連勝。この成績なら通常、皐月賞、ダービーのクラシック路線に進むはずだが、オグリは地方競馬出身ということもあり、中央競馬のクラシック登録をしなかったために皐月賞、ダービー、菊花賞の3冠レースに出場することができなかった。この年は重賞レースを7勝。最後は有馬記念に勝って、クラシック不参加の留飲をさげた。

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