お膳の中央はケーキ?立皇嗣の礼で話題、皇室の伝統料理

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杉浦達朗

 皇居で8日に行われた「立皇嗣の礼」。秋篠宮さまが皇位継承順位第1位の皇嗣となったことを広く伝える儀式として注目された。特に話題になったのが、儀式「朝見の儀」で天皇、皇后両陛下や秋篠宮ご夫妻に振る舞われた料理。お膳の中央に置かれた円柱状の一品は、まるでホールケーキのように見えると話題になった。

 いったい何なのか。宮内庁の担当に聞いたところ、白飯を固めた「大飯(たいはん)」だった。直径約15センチ、高さ約16センチ。大飯の高さは儀式によって変わったり、盛り付けも円柱状ではなく山盛りにしたりするという。

 朝見の儀は、立皇嗣の礼のような節目の行事や、皇族方が結婚した時に、皇族方が両陛下にあいさつをする儀式だ。祝いの席でもあり、杯に注いだ酒を互いに飲んだり食事をともにしたりする所作を行う。

 この際に振る舞われるのが、天皇が政治をしていた奈良、平安時代から伝わるとされる伝統料理だ。米や海産物、肉や野菜の旬のものを調理し、「高盛」や「平盛」と呼ばれる独特な盛り付けで提供される。

 大飯の隣にある黄色のパイナップルのような球体は高盛「雲丹蒲鉾(うにかまぼこ)」。黒っぽい高盛は「塩引鰤(しおびきぶり)」。ともに約15センチの高さで、前者はウニと魚のすり身を蒸したものと、後者は天日干しにしたブリの切り身を、それぞれ宮内庁大膳課が熟練の技で菊の花のように盛り重ねたものだ。

 見るからにおいしそうだが、料理はあくまで儀式のためのもの。両陛下やご夫妻は並べられた膳の上で、はしを立てる食事の所作をするだけで、実際には手をつけない。儀式終了後にどうするかは明かされていないが、両陛下やご夫妻の食事に並んだり、供え物になっていたりするのかも知れない。

 料理は食材の調達、仕込み、調理を約2週間かけてつくる。その極意は大膳課内で口伝やメモで脈々と受け継がれているといい、宮内庁幹部は「皇室の歴史を、料理を通しても知ってもらえたら」としている。(杉浦達朗)

雲丹蒲鉾に塩引鰤、九年酒……。後半では、立皇嗣の礼の朝見の儀で並んだ料理と作り方をご紹介しています。

●立皇嗣の礼の朝見の儀で並んだ料理と作り方

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■高盛・雲丹蒲鉾(うにかまぼ…

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