米メディア、「当確」には慎重姿勢 FOX社内は内紛も

有料記事アメリカ大統領選2020

ニューヨーク=鵜飼啓
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 米大統領選の開票が長引く中、米国の各ニュース専門テレビ局は連日、24時間態勢で選挙特番を放送し続けている。メディアが報じる州ごとの勝敗の判断に大きな注目が集まっており、各局は慎重な判断に努めている。一方、FOXニュースでは露骨にトランプ大統領の肩を持つ番組もあり、批判も出ている。

 最大の焦点となっているペンシルベニア州では、6日朝にバイデン前副大統領の得票がトランプ氏を上回り、同日夜にかけて差を広げた。バイデン氏は6日夜に「数字を見れば我々が勝利するのは明らかだ」と宣言したが、主要メディアは勝敗の判断を示していない。

 「票の出方を見るとバイデン氏がこのまま伸びると思うでしょうが、見通せない点が残っている」。MSNBCで開票分析を担当するスティーブ・コーナッキ氏は6日の番組でこう指摘した。未集計の票が実際にどれだけ残っているのか分からない上、投票資格の確認が必要な暫定票が10万票あり、トランプ氏に多く出る可能性があるなどと勝敗の判断を示せない理由を説明した。

 記録的な投票率となった今回の選挙では、新型コロナウイルスの感染拡大で郵便投票の割合が増え、当初から開票が長引くことは予想されていた。接戦のなか各州の勝敗の行方に大きな関心が集まっており、各メディアとも開票状況の丁寧な説明をしている。コーナッキ氏やCNNのジョン・キング氏は米国地図を示したタッチパネルを使いながら行う詳細な開票分析で人気だが、連日番組に出ずっぱり。キング氏は一日に12~14時間出演しているとして、ほとんど寝ていない状況を米紙が取り上げるほどだ。

 一方、大接戦に陥っているアリゾナ州をめぐっての勝敗の判断が各局で分かれているほか、トランプ氏陣営が判断に抗議する異例の事態も起きている。共和党が伝統的に強かった同州だが、開票当日の3日夜にいち早くバイデン氏勝利と報じたのはFOXニュースだった。普段は「トランプ応援団」と目され、トランプ氏が好んで見ているテレビ局だけに、トランプ氏陣営に大きな衝撃を与えた。

看板司会者、露骨な肩入れも

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 陣営は開票序盤で劣勢との印…

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