トランプ→バイデン でも、バラ色の世界は戻ってこない
聞き手・畑宗太郎 聞き手 サンフランシスコ・尾形聡彦 ロンドン・国末憲人
米大統領選はコロナ禍で異例の展開の末、民主党のバイデン氏が当選を確実にした。これまでのトランプ政権から何がどう変わり、あるいは変わらないのか。日米欧の識者に聞いた。
鈴木一人・東京大公共政策大学院教授
トランプ氏は非常にユニークな大統領でした。「ビジネスマンであって政治家ではない」と自分で言っているくらいです。
ユニークさの一つは、ビジョンがないことです。多くの政治家は、自らの理想の実現のため大統領を目指しますが、トランプ氏のやることは時代の空気や彼の本能的な感覚に近い。練られたアイデアではないので理論的でなく、ちぐはぐです。
伝統的な政治家との決定的な違いは、対人関係の作り方です。元は企業のワンマン経営者。ツイッターの発信が好例ですが、全ては彼自身の発信です。周囲の声は聞かず、自分でアジェンダを作ってきた。ついてくる人は仲間、批判すれば敵。要求を押しつけ、相手がのめなければ取引はなしです。
世界はこの4年間、こんなや…
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