激戦州のミシガンとウィスコンシン、バイデン氏が勝利

アメリカ大統領選2020

ワシントン=園田耕司 大島隆
【動画】バイデン氏「我々が勝者に」 激戦州の勝利受け演説
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 開票作業が進む米大統領選で、バイデン前副大統領が米東部時間4日午後(日本時間5日朝)、激戦州のミシガン、ウィスコンシン両州での勝利を確実にした。AP通信の集計によれば、バイデン氏の獲得した選挙人数は264人となり、当選に必要な過半数の選挙人の獲得まで残り6人となった。

 大統領選は、人口などに応じて各州に割り当てた538人の選挙人の過半数を得た候補が勝利する。AP通信によれば、ミシガン州(選挙人16人)での得票率は、バイデン氏が49・89%、トランプ氏が48・58%。ウィスコンシン州(10人)での得票率は、バイデン氏が49・57%、トランプ氏が48・95%で、いずれの州も両者の差は1%前後の大接戦だった。

 大統領選の勝敗のカギを握る六つの激戦州のうち、バイデン氏はミシガン、ウィスコンシン両州のほか、アリゾナ州(11人)を獲得。一方、トランプ氏はフロリダ州(29人)を獲得した。残りのノースカロライナ州(15人)、ペンシルベニア州(20人)で両氏は接戦を繰り広げている。前回大統領選では、トランプ氏が六つのすべての州を制し、大統領選勝利の原動力となった。

 バイデン氏がミシガン、ウィスコンシン両州で勝利したことで、獲得した選挙人の合計は264人となった。バイデン氏はジョージア州(16人)、ネバダ州(6人)でもトランプ氏と激しく争っており、仮にバイデン氏がどちらかの州で勝利すれば、獲得選挙人数は過半数の270人に達することになる。

 AP通信の米東部時間4日午後6時(日本時間5日午前8時)現在の集計によれば、全米での得票率もバイデン氏はトランプ氏を上回っている。バイデン氏の得票率は50・28%と半数を超える一方、トランプ氏は48・1%だった。

 一方、トランプ氏は4日、一部の州の開票で不正があったと主張した。CNNによると、トランプ陣営はミシガン州での集計の停止を求める訴訟を起こした。ウィスコンシン州の開票結果についても、再集計を要求している。

 トランプ氏はミシガン州やウィスコンシン州で開票途中までリードしていたが、終盤にバイデン氏に逆転された。

 トランプ氏はツイッターで「昨晩は重要州で確実にリードしていたのに、魔法のようになくなっていった。とてもおかしなことだ」と不正があったと主張した。また、トランプ氏のリードが徐々に縮まっているペンシルベニア州の開票作業についても、「彼らはペンシルベニア州での(自分がリードしている)50万票をなくそうとしている。同じことがミシガン州やほかの州でも起きている」と主張した。

 一方、ツイッター社は、トランプ氏のこうした投稿について「誤解を招いている可能性がある」と警告を表示した。

 ペンシルベニア州など一部州では、当日投票された票が先に開票され、期日前投票の開票が後から始められた。期日前投票はバイデン氏の票が多いことから、開票の序盤ではトランプ氏の票が多いものの、期日前投票の開票が進むにつれてバイデン氏の票が増える「レッドミラージュ(赤い蜃気楼(しんきろう))」と呼ばれる現象が起きたとみられる。(ワシントン=園田耕司大島隆

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