旧大川小で新任校長研修 タブー視?遺族や語り部、複雑

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近藤咲子 大宮慎次朗
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 東日本大震災の津波で児童と教職員計84人が犠牲になった旧大川小学校宮城県石巻市)で4日、新任校長が遺族の話を聞く県教育委員会の研修が初めて開かれた。遺族と係争中だったため見送られてきたが、震災10年を前に「命の尊さを学ぶ場に」と求めた遺族の願いがようやくかなった。 ただ、遺族や関係者の思いは複雑だ。

 この日、新任校長たちの前で「命の大切さ」を訴え続けた佐藤敏郎さん(57)は、地元教職員の研修の実現までに10年近くかかったことに首をかしげる。

 自身も中学校の教員だったが、震災後に退職。今は語り部として全国からの訪問者を迎えている。「宮城県の先生で(自発的に)訪れたのは、ほんの一握り。子どもの命を守ることに向き合っていないのではないか」と感じてきた。

 遺族が2014年に宮城県と石巻市を相手取って裁判を起こしたため、旧大川小の話は教育現場でタブー視されてきたように映る。だからこそ、この日参加した校長たちには「学校に帰って『大川小に行ってきた』と話して欲しい」と願う。「自分の学校の子どもたちや校舎を思い浮かべ、命を守ることに向き合うきっかけにして欲しい」

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