コロナで海外と商談できない ツルヤ商店に現れた助っ人
新型コロナウイルスの影響で海外渡航が難しくなり、自社製品を売り込む商談の場は激減した。そんな苦境でも、オンラインを駆使して海外での販路開拓に苦心する中小事業者が山形県内にいる。直接の対面はかなわなくとも、作り手の思いは伝わるか――。
籐(とう)工芸を手がける「ツルヤ商店」(山形市)は、1907(明治40)年創業の老舗だ。10月上旬、会田源司社長(61)はテレビ画面を介して、中国・上海の企業のバイヤーと向かい合っていた。オンラインでの初めての商談だ。
会田社長がカゴの縁を示して、仕上げの精密さを説明しようとすると、そばにいた日本貿易振興機構(ジェトロ)山形貿易情報センターの職員が「カメラに寄せて」とアドバイス。縁を近づけて強調していた。
コロナ禍で、県とジェトロ山形が対面からオンラインに切り替えた商談会の一環だ。ジェトロ職員の進行に従って、会田社長が6人の職人がいることを説明すると、東京にいる通訳が中国語に翻訳。製作風景を映した動画も流した。
会田社長は「海外で評価される商品作りをすることは企業活動のプラスになるのではないか」と考えて、海外のバイヤーと直接取引してみることにしたという。「常時扱ってもらえる取引先を見つけたい」と意気込む。
これまで接点のなかった海外…
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