平等院の国宝仏像を模刻 新たにわかった当時の技法も

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小西良昭
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 世界遺産平等院京都府宇治市)の国宝・雲中供養菩薩像(うんちゅうくようぼさつぞう)が模刻され、平等院に奉納された。模刻の過程で新たにわかった当時の技法もあったという。

 雲中供養菩薩像は、鳳凰(ほうおう)堂で本尊の阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう)を囲むように52体が壁にかかる。平安時代後期の1053年に本尊を作った仏師・定朝(じょうちょう)一門の作とされる。52体は南北に各1~26の番号をつけてある。

 模刻したのは、現在は会社員の中村美緒さん(26)=東京都江戸川区。東京芸術大大学院の保存修復彫刻研究室で文化財保存学を専攻していた昨年1月、神居文彰(かみいもんしょう)住職に「南20号」(高さ77・3センチ、幅61・2センチ)の模刻を願い出た。優雅で品のある姿にひかれた。1年間の制作中に平等院へ4回通い、本像を細かく観察した。粘土で模型をつくり、全体像をつかんだうえで、本像の3次元図面をヒノキ材に写し、彫り進めた。

 頭、胴、腕などの部材を組み立てる寄木造(よせぎづくり)だが、二つの技法で発見があった。

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 一つは、体に穴を開け、頭部…

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