頼みの民意つかめず 引退の松井氏「不安解消できず」

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笹川翔平 池尻和生
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 「やることはやった。後悔はない」。否決なら市長任期満了で政界を引退すると表明し、背水の陣で臨んだ大阪維新の会松井一郎代表(大阪市長)は1日夜、記者会見で笑顔を見せた。

 行き詰まった局面を打開するために選挙戦を仕掛けては、民意を旗印に政策の実現をたぐり寄せる政治手法を貫いてきた。だが、最後はその民意によって、政治家としてのキャリアに終止符を打つことになった。

 「菅さんにはご迷惑をおかけしませんから」。住民投票の告示が数日後に迫った10月上旬。松井氏は菅義偉首相に電話で仁義を切った。大阪では、菅氏が総裁を務める自民党と激しく対立しているためだ。

 維新政治の求心力の源は、野党でありながら政権との距離が近いことだ。その関係を支えるのは、頻繁に電話で連絡を取るほどに親しい松井氏と菅氏の間柄にある。橋下徹氏が最初に当選した2008年の大阪府知事選に、菅氏は自民党本部の選挙対策副委員長として関わった。それ以来、太いパイプを築いてきた。

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 前回15年の住民投票が否決…

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