「イルカドック」実現へ 牛用CTを転用、麻酔し手術も

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藤原伸雄
【動画】「イルカドック」でイルカたちを長生きさせたい、水族館獣医師の挑戦=藤原伸雄撮影
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 水族館で飼育されている日本中のイルカを長生きさせたい――。人間ドックのように、イルカも健康管理のために定期健診しようという「イルカドック」の模索が始まっている。欧米に比べ、イルカに対する医療研究が遅れていることに危機感を持った水族館獣医師による挑戦だ。藤原伸雄

 しぶきを上げ、ダイナミックに飛び、飼育員の笛の合図でショープールを泳ぎ、観客にあいさつする。そんなイルカショーが人気を集める大分マリーンパレス水族館「うみたまご」(大分市)では、飼育するイルカのために、大型のCTスキャン装置を活用した検査に取り組んでいる。目指すのは、イルカを定期的に健診する「イルカドック」の確立だ。

 今年2月中旬、同館で大がかりなバンドウイルカの搬送作業があった。専用プールに約15人の飼育員が集まり、イルカを専用の担架に乗せた。体長2・6メートル、体重180キロある体に時々、海水をかけながら、10トントラックの荷台の専用プールに積み込み、約4時間かけて宮崎大学農学部付属動物病院にたどり着いた。

 イルカの名は「ジジ」。2015年、宮崎県沖で定置網にかかっていたところを保護された。その時、尾びれに腫れが見つかったが、X線検査では原因が分からなかった。

国内に3台、1トン対応の牛用CT検査装置で原因判明

 うみたまごの獣医師、柳沢牧…

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