焼失した沖縄の象徴、予想外だった日本各地で心痛める人

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木村司
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 闇夜に赤い城が燃えさかる、無残な光景が目に焼き付いている。15世紀から450年続いた琉球王国の政治と文化の中心、首里城の焼失から7カ月たった今年5月。琉球史研究の第一人者で、首里城復元の時代考証を担う高良倉吉さん(72)に聞いた。

 火災で焼失した正殿や北殿、南殿は、1945年の沖縄戦で姿を消し、92年に復元された。再建に向けて政府は3月末、沖縄の日本復帰から50年となる2022年中に本体工事に入り、その4年後に正殿をよみがえらせるという工程表を発表した。高良さんは、防火対策や木材、職人の確保など、工程表の土台となる議論を主導している。

 この春、沖縄に2度目の赴任をした記者は、久しぶりに高良さんを訪ねた。新型コロナウイルスの感染予防のため、待ち合わせは首里城公園。海からの風が吹き抜ける芝生の上で語り出した高良さんは、生気がみなぎっていた。

たから・くらよし 琉球大学名誉教授。政府の「首里城復元に向けた技術検討委員会」委員長。1947年、沖縄県伊是名(いぜな)島生まれ。沖縄史料編集所専門員、同県浦添市立図書館長などを務め、首里城復元やNHK大河ドラマ「琉球の風」の時代考証に関わる。2013、14年に仲井真弘多県政で副知事。「琉球の時代」「沖縄問題 リアリズムの視点から」など著書多数。

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