環境意識ポジティブに 水溜りボンド「空気感変えたい」

コーディネーター・戸田政考
【動画】地球の課題解決への挑戦 あなたの行動が未来をつくる
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 新型コロナウイルスの影響で、10月11~15日にオンラインで開催された国際シンポジウム「朝日地球会議2020」(朝日新聞社主催)。コロナ危機と文化や循環型経済などについて討論した様子を、アーカイブ動画とともにお届けします。

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 気候変動への関心はどうすれば高まるか。課題解決に向けたヒントを探った。

 まず、人々の意識について、旭硝子財団理事長の島村琢哉さんは環境悪化による人類存続の危機感を毎年、有識者らにアンケートし、時計の針で表す「環境危機時計」を紹介した。危機感の程度を0時1分から12時の範囲で表すもので、今年の結果は有識者は「9時47分」だったのに対し、一般の人は「6時40分」。島村さんは「有識者と一般の人との危機感に、まだかなりのギャップがある。何かしらのきっかけを作り、関心を高めていかなければならない」と話した。

 動画クリエーター「水溜(みずたま)りボンド」のカンタさんは環境に配慮した商品を買う意識が芽生えてきたと自身の変化を話した。一方、「環境意識が高いことが必ずしもポジティブに捉えられない空気がある」と懸念を示した。トミーさんが「『完璧じゃなきゃいけない』『全部それに基づいて生きてるよね』と見られると、若者としては取っつきづらい」と話すと、20代の視聴者から「強く共感します」と反響が寄せられた。2人は動画を通じて空気感を変えていきたいとした。

 インドネシアのバリ島を拠点に活動するNPO「コペルニク」の共同創設者、中村俊裕さんは「現地では灯油を燃やして明かりをとっているが、黒煙は環境によくない」と、ソーラーライトの普及を例にあげ、暮らしの向上と環境配慮が両立することを紹介。「課題に対し、いかに環境負荷を落としながら解決できるのかと考えながら解決策をテストしている」と話した。

幸せの「ヒント」紹介していきたい コーディネーター・戸田政考

 「完璧じゃなきゃいけないと見られると、取っつきづらくなる」。トミーさんの一言が刺さった人は多いと思う。私は環境分野を取材する記者だが、「環境に優しい」商品をいつも選んでいるわけではない。格好良くて無理せず買える値段だったら選ぶし、そうでなければ買わない。我慢では続かないし、人にも勧めづらい。では、両立できたらどうか。環境負荷を減らしながら日々の生活が豊かになればみんなハッピーだ。中村さんの活動のように、そのヒントをたくさん紹介していきたい。(コーディネーター・戸田政考)

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