コンセントの向こう側、想像を 電気を選ぶポイントは

コーディネーター・高橋末菜
【動画】いま、電気を選ぶ~手軽に脱炭素を始めよう
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 新型コロナウイルスの影響で、10月11~15日にオンラインで開催された国際シンポジウム「朝日地球会議2020」(朝日新聞社主催)。コロナ危機と文化や循環型経済などについて討論した様子を、アーカイブ動画とともにお届けします。

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 地球環境を考えて、電気を太陽光や風力など再生可能エネルギー由来のものに切り替える人が増えている。再エネ普及の現状や電気を選ぶときのポイントを語り合った。

 新電力「みんな電力」は、自然エネルギーで発電する事業者から電気を購入し消費者につないでいる。社長の大石英司さんは「新電力への切り替えはまだまだ十分に進んでいない。自分のコンセントの向こうを想像し、電気代を誰に払うのか選ぶ段階に来ている」と語った。

 鈴廣かまぼこグループ副社長の鈴木悌介さんは、東日本大震災後の計画停電を機に、会社の電気を地元の湘南電力に切り替えた。「地域全体でいま支出している電気代の10分の1でも地元の電力会社に換えるだけで、そのお金が地元で回り、気候変動の対策にもなる。追加の出資も必要ない」。災害が増え、停電も珍しくないとして防災の観点からも大手電力だけに頼るのはリスクと述べた。

 脱原発を掲げるドイツ。ドイツテレビ協会ZDFプロデューサーのマライ・メントラインさんは「ドイツでは多くの人が料金に加えて自然エネルギーの割合を比較して電気を選ぶ。少し高い程度であれば、自然エネルギーの割合が高い方を選ぶ」と話す。一方で「日本の新電力は低価格のアピールばかりが目立つ」と違和感も。大石さんが「『どこから仕入れているか』という電源構成を明らかにしている電力会社ほど信頼できる」と応じた。

「顔の見える電気」 コーディネーター・高橋末菜

 気候変動へのアクションと、地域経済の活性化。このセッションで、電気を選ぶ意義を実感した。正直に言うと、料金がお得かどうかだけで電力会社を選んでいた。電源構成まで意識しておらず、ハッとした。

 試しに、みんな電力に切り替えた。ウェブサイトには発電事業者の紹介があり、取り組みに込めた思いを知ることができる。料金は以前と変わらないかもしれないし、わずかに高くなることもあるかもしれない。それでも「顔の見える電気」を使いたいと思った。(コーディネーター・高橋末菜)

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