無駄遣い?知事公用車、全都道府県に聞く 人気の車種は

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武田遼 滝坪潤一
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 兵庫県が知事公用車をトヨタのレクサスから最高級車センチュリーに変えたことを機に、公用車に注目が集まっている。山口県は「貴賓車」としてセンチュリーを購入した。性能と品格か、無駄遣いか。朝日新聞が知事公用車について全都道府県に尋ねたところ、車内が広いミニバン型が最多だった。

最多はミニバン型、中でもアルファード

 知事の公用車について朝日新聞は10月中旬、全47都道府県に取材した。

 最も多かったのはミニバン型で、31都道府県で選ばれていた。ミニバンは米国の大型バンより小さいためそう呼ばれる。中でもトヨタ・アルファードは19都道府県で多く、ハイブリッド仕様が多数を占めていた。「SPも乗車するため」(東京)、「車内での打ち合わせがしやすい」(鹿児島)といった理由が目立った。長野は「知事車としてふさわしい車格」とした。

 三重もミニバンのトヨタ・エスティマで、現在使っているのは17年に一般職員の公務用に買ったものだ。「県財政の厳しさから、知事車が故障した際にそのまま流用した」という。

 セダンタイプのセンチュリーを使っているのは兵庫に加え千葉、石川、愛知の3県。山口は知事車ではないが、皇族が来県した時などに使う「貴賓車」として7月、2千万円超でセンチュリーを購入。皇族が来ることはほとんどなく、普段は議長車として使っている。山口以外にも複数の自治体が、知事車以外の議長車などの名目でセンチュリーを保有している。

 ミニバンのトヨタ・ヴェルファイアの新潟は「災害現場で県民(感情)に配慮できるよう、見た目の高級感が際立たない車にした」と説明する。広島は地元企業マツダの大型SUV(スポーツ用多目的車)のCX―8。日産本社がある神奈川は、同社の高級セダンのシーマを採用している。

 車種は同じでも取得額は自治体によって異なり、新車のヴェルファイアの場合、1千万円以上の差があった。

 購入ではなくリースにしているのは14都府県。「単年度の支出額が大きくならず、経費が平準化される」(群馬)、「費用に車検などメンテナンスが含まれるから管理が楽」(香川)、「より環境性能の高い新車を使える」(東京)といった理由だ。

 公用車を巡っては10年5月、河村たかし名古屋市長が、市長公用車をハイブリッド車のトヨタ・プリウスから軽乗用車に変更。市議会議長車にセンチュリーが使われていることを批判し、話題になった。(武田遼、滝坪潤一)

記事後半では、全都道府県へのアンケート結果を掲載します。購入価格は331万円~1495万円と様々。月額でのリース払いの自治体も多数ありました。また、元知事や自動車ジャーナリストら識者の見解も。「知事専用車はなくてもいい」「動く仕事場」「コロナ禍が影響」「高級車に乗っていい」様々な見方がありました。

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■きっかけとなった兵庫県知事

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