落ちたPS3違法改造の沼 小遣い足りないと妻に言えず

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飯島啓史
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 家庭を持ち、仕事ぶりも真面目な会社員の男(41)は家庭用ゲーム機プレイステーション3(PS3)」の改造販売に手を出した。軽い気持ちで始めたが、3年間で少なくとも78台を販売し、150万円余りをかせいだとされる。犯罪とわかっていたという男は、なぜ危険な副業にはまったのか。

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事件は世相を映します。傍聴席から「今」を見つめます。

 10月7日、福島地裁であった初公判。黒いスーツにネクタイを締めた短髪の男は身をかがめながら証言台に立った。裁判官から起訴内容について問われ、「その通りです」と少し震えた声で答えた。

 男は2019年2~6月、PS3を不正に改造して、福島県宮城県栃木県の3人に3台を計6万4千円で販売したとして、不正競争防止法違反の罪で起訴された。

 検察の冒頭陳述や被告人質問のやりとりなどから、事件の経緯をたどる。

 男は専門学校を卒業後、自動車整備士の資格を生かして、自動車販売会社に就職。その後、結婚し、子どもにも恵まれた。男について、妻は「仕事に真面目で、家のこともいつもちゃんとしてくれていた」と証言した。そんな男が違法な副業を始めたのは約3年前だった。

 弁護人「PS3を改造販売す…

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