ホスピス出て最期は家族と 背中押したコロナの面会制限
阿部彰芳
会いたい人と会いたいときに会える。がんを患う人などが最後の時間を過ごすホスピスや緩和ケア病棟で、当たり前にできてきたことが、コロナ禍によって難しい状況が続く。だがこの障壁が、患者や家族にある変化をもたらしている。
札幌市の女性は3月上旬、40代の妹が入院するホスピスから「きょうから面会禁止になりました」と連絡を受けた。札幌市では2月下旬から新型コロナウイルスの感染者が増え始め、北海道知事が28日に独自に緊急事態宣言を出していた。
妹は6年前に乳がんが他の部位に転移し、抗がん剤治療を始めた。だが、2月上旬に体調が悪くなって入院すると、主治医から「これ以上の治療は難しい」と告げられた。
妹は一人暮らし。両親と暮らす女性は「うちに来たら」と声をかけたが、妹は「気が楽だから」と近くのホスピスを選んだ。
「ホスピスにいる意味って」
女性が面会禁止の連絡を受けたのは、妹の状態が悪くなって、今晩から付き添おうとしたときだった。
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病院側は「付き添うなら、ホ…
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