新型出生前診断、本格議論へ 地域医院への拡大が焦点

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市野塊 後藤一也
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 妊婦の血液からおなかの赤ちゃんのダウン症などを調べる新型出生前診断(NIPT)について、厚生労働省が28日、新たな検討部会を立ち上げる。日本産科婦人科学会(日産婦)が公表した、地域のクリニックでも検査を受けられるようにする新指針の扱いが焦点になる。ただ、中絶につながる可能性のある検査でもあり、慎重な意見もある。

 検討部会は、産婦人科や小児科などの医療関係者のほか、法学や生命倫理障害者福祉の専門家など約20人で構成。新指針だけでなく、妊婦への相談支援体制、胎児期からの小児医療や福祉施策との連携などについても検討する。

 NIPTは検査の前後に十分なカウンセリングなどが実施されることなどを前提に、大学病院など109カ所に施設を限定して実施が認められてきた。だが新指針によって、認定制度に合格し遺伝学の知識を備えた産科医がいるなどの条件を満たせば、小規模な医療機関でも検査を受けられる可能性が出てきた。日産婦によると70カ所ほど施設が増える見込みがある。

 検査が受けやすくなることが期待できる一方、「命の選別」につながる可能性があり、施設を広げることには慎重な声もある。認定施設でつくる「NIPTコンソーシアム」の調査では、検査後に羊水検査などで陽性が確定した妊婦の約9割は中絶を選んでいる。

議論深まらぬまま、進む技術

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 社会的な議論が必要だが、現…

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