ヒバクシャが渡したバトン 核なき世界を求める国際社会

有料記事核といのちを考える

ニューヨーク=藤原学思
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 国連の設立から75年を迎えた24日、核兵器の保有や使用を全面的に禁じる核兵器禁止条約の批准国・地域が、発効に必要な「50」に達した。条約は来年1月22日に発効する。国連で2017年夏に採択されてから3年あまり。「核なき世界」の実現をめざす国際社会の思いが実を結んだ。今後の焦点は、条約の推進国と核保有国がいかに歩み寄るかに移る。

 核兵器禁止条約の批准国・地域数は2017年7月の採択以降、1年目=11▽2年目=12▽3年目=15と推移。新型コロナウイルスの感染が広がったため、今年中の50達成は一時難しいとも思われたが、夏以降も続々と批准した。

 この条約は、核保有国が核不拡散条約(NPT)によって「誠実に核軍縮交渉を行う義務」を負っているにもかかわらず、それが進まない国際情勢に対する不満、憤りを背景に採択された。核兵器が使われるリスクは近年高まっており、国連本部で開催中の国連総会第1委員会(軍縮)でも、大国の緊張関係を懸念する声が相次いでいる。

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 条約ができて以降も、核保有国や「核の傘」の下にある国々と、条約の推進国の間には隔たりが目立つ。2日にニューヨークの国連本部であった首脳・大臣級会合では、核廃絶に向けた国際社会の「分断」があらわになった。

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 この会合は、9月26日の「…

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