幼少期の孤立、「社会性」に悪影響 マウスの交流が減少

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編集委員・大久保真紀
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 幼少期に孤立して育てられると、脳内の特定の神経回路にダメージを受けることが、米マウントサイナイ医科大学の森下博文・准教授(神経科学)らのマウスを使った研究でわかった。幼少期の孤立体験が、成長後の脳機能や社会性に悪影響を及ぼすおそれが高いことはわかっていたが、どの神経回路に異常が起きるのかは不明だった。研究成果は英学術誌「ネイチャー・ニューロサイエンス」10月号に掲載された。

 研究ではマウスを、孤独飼育を経験するグループと、集団飼育を続けるグループに分けた。孤独飼育グループは離乳直後の生後3週目以降、親や兄弟から2週間ほど離して飼育。その後再び1カ月ほど集団飼育に戻して、両グループの社会性を調べた。

 その結果、孤独飼育したマウスは、鼻をくっつけ合うなどのほかのマウスとの交流時間が、集団飼育グループに比べて20%程度少なかった。また、脳の前頭葉から視床の特定の部位にのびる神経細胞がダメージを受けていた。

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