たどりついた西成でともに…元薬物依存者が探る立ち直り

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鈴木智之
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 覚醒剤におぼれて服役を繰り返した男性が、大阪市西成区で、薬や酒、ギャンブルなどがやめられない人たちを対象にした月2回の相談会を始めた。「かつて自分も暮らしていた地域で、立ち直るきっかけをともに考えたい」という。

 池田秀行さん(42)。薬物などの依存に悩む人や、精神疾患を抱える人、刑務所からの出所者らの回復支援施設を運営する民間団体ワンネス財団(奈良県大和高田市)のプロジェクトチーフだ。

 大阪出身の池田さんは学生だった10代のころ、ミナミのナイトクラブで知り合った外国人から薬物をすすめられた。「はじめに使ったときは、不安やコンプレックスが一気になくなるような感覚でした」

 次第にのめり込み、大麻や合成麻薬MDMA、コカイン、覚醒剤といった薬物を10年以上使用した。とび職についていたが、薬物はやめられなかった。稼いだ金を薬物につぎ込む生活。覚醒剤取締法違反の罪で2回服役した。

2回目の服役後、行き着いたあいりん地区

 「初めのころは薬物をやめたいとは思わなかったが、最終的には孤立してしまった」。9年前、2回目の服役を終えて、行き場がなくなり、西成区のあいりん地区にたどりついた。簡易宿所に泊まりながら、日雇いで働いた。

 親や兄弟とも疎遠になる中、気にかけてくれた知人は「薬物はやめろ。いい加減にしろ」と注意をしてくれた。「そうやんな」と答えはしたが、それは生返事。自分ではどうしたらいいかわからなかった。人並みの生活をしたいと思うが、はい上がれなかった。

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