アレルギーっ子のハロウィーン 主人公に託した気持ち

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杉浦幹治
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 食物アレルギーに関する活動をきっかけに知り合った大人と子どもが協力して作った絵本「アレルギーっ子チルチルと青カボチャ」が今月、出版された。アレルギーがあってもなくても、ともに楽しめる工夫をハロウィーンを舞台に描いている。

 絵本を企画したのは「アレルギーっ子の旅する情報局 CAT」を運営する村田愛さん(34)=神奈川県海老名市。子どもに食物アレルギーがあり、啓発活動をしてきた。

 その中で、「アレルギーとは何か」「どんな症状が出るのか」に触れた本は多くあるのに、「本人はどんな気持ちでいるか」が分かる本がほとんどないということに気づいた。

うれしいけど食べられない…

 昨秋、活動を通じて知り合った女子中学生(14)に話を持ちかけると、絵本の制作を快諾。ストーリーづくりを担当してくれた。この春からは、CATが発行するフリーペーパーでライターやモデルを担っていた佐藤花さん(10)も加わった。絵は、食物アレルギーの子を持つイラストレーターの諸岡きゅうこさんが担当。必要な資金はクラウドファンディングで集めた。

 食物アレルギーがあると、原材料がわからない菓子は食べられない。佐藤さんは「幼稚園のとき、ハロウィーンでお菓子をもらえてうれしかったけど、食べることができなかった。でも誘われたこと自体はうれしかった」と話す。絵本では、当事者にしかわからないそうした気持ちを主人公の黒猫チルチルに託した。

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 ストーリーは、食物アレルギ…

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