県と市で対立、都構想には理解 堂本暁子・元千葉県知事

有料記事大阪都構想

聞き手・小林太一
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千葉県で2001年から8年間知事を務められました。千葉市との間で政策が重なることはありましたか》

 知事になったとき、女性としてはまだ全国で3人目という、今より政治の場に女性が少ない時代でした。当時、政令指定都市の千葉市との関係は必ずしも良好ではなかった。たとえば、市内のモノレールを延伸するかどうかで対立したんです。どう計算しても県の負担が大きく、反対しました。市は便利になるので事業を進めたかった。結局延伸はしませんでした。

 当時の千葉県人口は590万人ほどで、千葉市は2割以下の約90万人。県の一部に千葉市があるという意識があり、県がやるべきことは多かった。神奈川県で人口の4割を占める横浜市は独自の政策を打ち出せます。大阪市も府全体の3割が住んでいます。府と市が調整しないと、両方の間で仕事の重複が生じる「二重行政」が起こりかねません。

 知事になって実感したのは、日本の場合、国が大きな財源を持つ中央集権であること。私の理想は住民参加型の地方分権でした。大阪都構想の資料を読むと、東京への一極集中が止まらないなかで地方分権をめざしているようにも見えます。大阪は副首都として西の拠点になってほしいと思います。

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大阪都構想

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