風刺画「見なくてもいい」前日に伝える パリの教員殺害

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パリ=疋田多揚
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 パリ北西コンフランサントノリヌの中学校に勤める男性教員(47)が殺害された事件で17日、1千人近い生徒や保護者が中学校に集まり、教員の死を悼んだ。教員は授業でイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を見せる考えを前日に生徒に伝え、「必ずしも見る必要はない」と話していたという。授業と事件がどう結びついたのかが捜査の焦点になっている。

 17日、犠牲となったサミュエル・パティさん(47)が勤めていた中学校前には、連帯を示そうと「私は教員」「私はサミュエル」と記したプラカードを掲げる市民らが集まった。かけつけた教員の一人はAFP通信に「恐怖に屈服してはいけない。(表現の自由を)教え続けなければいけない」と語った。

 18日にはパリなど各都市で追悼デモが予定され、風刺週刊紙「シャルリー・エブド」も加わるという。

 仏検察の発表や仏紙ルモンドなどによると、パティさんは5日、生徒に「あすは(表現の自由を扱う授業で)イスラム教徒にはショックな絵を見せることになるから、目をつむったり、教室から出たりしてもいい」と伝えていた。

 翌日、シャルリー紙が過去に掲載した2枚のムハンマドの風刺画をスライドショーで生徒に見せ、うち1枚はムハンマドが全裸になった姿だった。

 パティさんは今回だけでなく、毎年同じ風刺画を授業で使っていたという。パティさんは教科書だけに頼らず、様々な資料を積極的に活用して議論を促すことで定評があったという。

 しかし、授業について保護者の一部が学校に抗議。パティさんは生徒に「傷つけるつもりはなかった」と謝罪したが、保護者の一人がパティさんや学校の名前を名指しして辞職を求める動画を投稿し、拡散した。

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