「首相案件」になった日産融資 政府保証の説明責任は?

有料記事経世彩民

編集委員・堀篭俊材
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経世彩民 堀篭俊材の目

 昨年来、カジノ汚職や選挙での買収事件など、「政治とカネ」にまつわる不祥事があいついだ。そのわりには例年にもまして、静かな滑り出しだった。

 経団連は今月13日、政党に対する政治献金を約1600の企業・団体に呼びかけた。献金の目安になるように、各党の政策評価もいっしょに発表したが、いつものように与党・自民党への評価が高くなっている。

 新型コロナウイルス感染防止と、経済活動の両立にとりくんでいるとして、自民の実績に「第2次補正予算のすみやかな成立」、具体的には「雇用調整助成金の拡充」「資金繰り対応の強化」などをあげている。

 コロナ禍による業績不振で資金繰りに苦しんでいる企業に対し、政府は2度にわたる補正予算で手厚い支援策を用意した。政府系の日本政策投資銀行(政投銀)による大企業・中堅企業向けの危機対応融資もそのひとつだ。総額15兆円の枠が用意され、これまでにANAホールディングスや日産自動車マツダなどの大企業が融資を受けている。

 ただ、経済危機の最中の政治献金に、慎重な対応を求める声もある。日本大の岩井奉信(ともあき)教授は「政府の手厚い支援策を受けた企業が政治献金をすると、『政策をカネで買っているのか』という批判を受ける」と話す。

 自民党の長期政権が続いた時代、経団連は巨大な集金力を背景に、政治への影響力を強めた。だが1993年、ゼネコン汚職などで政治とカネの問題に批判が集まり、業界ごとに割り当てる献金のあっせんを中止。2004年、政党の政策評価とセットに企業に自主的な判断を促す「呼びかけ方式」で復活した。献金はその後、政権交代で一時中断し、14年に再開している。

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 ここ数年は、コーポレートガ…

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