それぞれの最終楽章・親としてのがん患者(6)
国立がん研究センター中央病院緩和医療科 小嶋リベカさん
30代の女性Fさんは9歳の息子と暮らす一人親。いわゆるシングルマザーです。3年前に胃がんと診断され胃の大部分を切除し薬物療法を続けてきましたが、1年前に転移が確認されました。
息子に「治るの?」と聞かれるたびに力強く「治るよ!」と答えてきたFさん。しかし転移後は副作用もあって見るからに元気がなくなり、「ママは死なないよね」と尋ねられ、「どう答えたらいいのか」と相談に来ました。
子どもから「治るの?」「死なないよね?」と問われるのは、病気を抱え、自らも不安な親が最も答えにくい質問で、また相談が多い内容です。私は「迷う時は、直接的に死ぬかもと言うのではなく、『言える本当のこと』を繰り返し伝えて下さい」と話しました。
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「言える本当のこと」とは「…
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