任命拒否で禁忌破った菅政権 論戦は国会再生への試金石
コラム「多事奏論」 国分高史(編集委員)
多数決は民主主義におけるものごとの決め方のひとつであって、多数派が決めることがいつも正しいわけではない。
ところが安倍晋三政権の7年8カ月で顕著になったのは、選挙で勝てば何でもできるという数への信奉と、異論を唱える少数派に対する敵視や排除の姿勢だ。
「相互的寛容」と「自制心」。米国のふたりの政治学者は「民主主義の死に方」(S・レビツキーほか著、濱野大道訳)で、法制度に加え、このふたつの規範を民主主義を陰で支える「柔らかいガードレール」と呼び、それをためらいなく壊すトランプ政治に警鐘を鳴らした。
この警鐘は、菅義偉政権へと代わった日本でも重みを増しているように思える。
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