愛犬の目、車いすで輝いた 飼い主夫妻の工房から3千台

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柴田悠貴
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 脚が不自由な犬たちに、もう一度、駆け回る喜びを――。大阪市住之江区に、日本全国から注文が集まる犬の車いす工房がある。これまでに作った車いすは3千台近く。うわさを聞きつけた海外駐在員からも引き合いがある。その人気の秘密とは。

 同区で、川西英治さん(61)、仁美(ひろみ)さん(55)夫婦が切り盛りする「工房スイーピー」。2013年、飼っていたダックスフントの愛犬、スイーピーが歩けなくなったのが車いす作りのきっかけだった。もうすぐ8歳になる頃、椎間板(ついかんばん)ヘルニアを発症し、下半身がマヒ。自由に歩けないストレスから、体重が7キロから3キロに減っていた。

 診察した獣医師から犬の車いすがあることを聞いて購入した。しかし、スイーピーは装着を嫌がった。観察していると、ベルトのサイズが合っていないことに気づいた。手先の器用さに自信があった英治さんは、ホームセンターなどを回り、ベルトと車輪を換えてみた。こうして連れて行った近くの公園。スイーピーは、車輪で落ち葉を勢いよくはじきながら、芝生の上を駆け出した。

 食欲が戻り、元気に散歩に行くようになったスイーピーの体重は、数カ月後には、元の7キロに戻った。車いすの買い替えが必要になったが、今度は、最初から自作した。装着しては細部を作り直し、2カ月かかって体形と症状に合った車いすを完成させた。工具を一からそろえ、材料費も奮発したため30万円もかかった。

これからの変化も予想したオーダーメイド

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 そんなある日、散歩中に「そ…

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