天才か異端か 「奇才」の絵師が開いた絵画史の最前線

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編集委員・中村俊介
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 まさに異端と天才は紙一重。そう痛感させるのが、あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区)の「奇才―江戸絵画の冒険者たち―」展だ。一癖も二癖もある絵師たちがおのれの個性全開で、これでもかとしのぎを削っている。

 ここでいう奇才の「奇」とは、思いがけない、との意味らしい。「新たな表現を求めた人々を奇才ととらえた。俵屋宗達円山応挙も、思いもよらない表現を残した。そんな視点で眺めれば、全国各地に奇才はたくさんいます」と、監修の安村敏信・北斎館長はいう。

 京都、大坂、江戸に「諸国」を加えた有名無名35人の奇作怪作が、会場を妖しく埋め尽くす。意表を突く斬新な表現や大胆な構図のオンパレードに、見る者の感覚はもう麻痺(まひ)状態だ。

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 猛々(たけだけ)しい虎がふ…

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