国の観光振興策「Go To トラベル」をめぐり、大手旅行予約サイトなどで割引額が減額されたことを受け、赤羽一嘉国土交通相は13日、すべての旅行業者が最大35%分を割り引けるよう、追加で予算を配分すると発表した。既存の予算の中から割り当てる。これを受け、すべての予約サイトが14日午前中までに元の割引額に戻す見通しという。

 国交省は当初、参加する事業者間の公平性や早い時期に予算を使い切らないようにすることも考慮し、おもに各社が出した販売計画にもとづいてそれぞれの予算配分を設定。販売状況も加味し、時期を数回に分けて配分していく方針だった。だが、政府内で「予算がまだあるのに、割引が制限される利用者がいるのは不公平だ」などと問題視する声があり、予算が不足した事業者には積極的に配分していくことにした。

 トラベル事業は、国内旅行代金の50%相当を、1人1泊2万円(日帰りは1万円)を上限に利用者へ補助する仕組み。50%のうち、35%分(最大1万4千円)は旅行代金から割り引き、残る15%分は旅先での買い物に使えるクーポン券を配る。

 国交省が最初の割り当てをしたのは9月だった。

 しかし、10月からの東京発着旅行の追加やクーポンの配布開始で、「Yahoo!トラベル」や「じゃらん」などの一部の大手サイトに予約が集中。最初に割り当てた予算が上限に達しそうになったため、各サイトは1万4千円だった割引上限額を3500円に引き下げるなどの対応をとった。

「いらぬ心配をおかけした」と陳謝

 国交省は当初、「多くの人に利用してもらうための各社の工夫で、上限を下げること自体は問題がない」としていた。

 赤羽氏は、大手サイトで当初の販売計画と実際の予約や販売がかけはなれていた状況があったことを認めた。そのうえで、予算が足りないという情報を事務局や国交省が把握して適切に対処していれば、今回の問題は防げた可能性が高いとの見方を示し、「可能な限り機動的に予算枠の追加配分を行う仕組みに改める」と述べた。今後、各社に割引額の上限を1万4千円にすること徹底させるとした。

 また、赤羽氏は、事業が始まった7月から9月15日までのおもな利用実績をもとにした試算で使われた予算は全体の約6%だったことを示し、「予算が直ちに枯渇するような状況ではない」と強調。「国民に混乱を生じさせ、いらぬ心配をおかけした」と陳謝した。そのうえで、「(事業者の)営業的な努力は認めなければいけない」とも述べ、予算が足りなくなった場合は積極的に配分していくとした。

いずれ予算が尽きる。その時は…

 これを受け「Yahoo!トラ…

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