第7回日本の貧困は見えない ロバート・キャンベルさんの提案

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聞き手・合田禄 篠健一郎
【動画】自身の幼少期や日本の貧困などについて語るロバート・キャンベルさん=角野貴之撮影
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 日本文学研究者のロバート・キャンベルさんは、米ニューヨークの貧しい地区の母子家庭で育った。貧富の格差が大きくても、所得によって住む地域が分かれていたため、自分の貧しさを特に意識することはなかったという。いま格差は日本でも大きな問題になっており、新型コロナウイルスによる経済への打撃が、弱い立場の人たちをさらに追い詰めている。日本に移り住んだキャンベルさんの目に、貧困の問題はどう映っているのか。

 私はニューヨークの中でもブロンクスという低所得者が多い労働者の町で生まれ育ちました。母は私が物心がつく前に父と別れ、私は母のもとで育てられました。高卒だった母はマンハッタンにある出版社で秘書として働き、私を一人で育ててくれました。

 月給は決して高くなく、エレベーターがない5階建てのアパートの最上階に暮らしていて、家賃も非常に安かったと思います。周りは多人種で、ユダヤ系、プエルトリコ系、アフリカ系など、いろんな人たちがいて、アパートの踊り場ごとに全然違う言葉が飛び交うような環境でしたね。

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