「みんな違う、それがいい」NYで夢見るハタチのBLM

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ニューヨーク=藤原学思
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分極社会

 フランク・シナトラの「ニューヨーク・ニューヨーク」が流れると、彼女は指を鳴らし、右のかかとで軽くステップを踏んだ。8月、ニューヨーク市の中心部、タイムズスクエアでのことだ。

 エリザベス・チャパさん、20歳。ブロードウェー俳優を夢見る。故郷のオハイオ州を離れ、ニューヨークに移って2年経つ。

 多くの有名俳優が輩出した専門学校「アメリカン・ミュージカル&ドラマチック・アカデミー」をこの春に卒業した。8万4千ドル(約900万円)の学費は奨学金と、レストランやホテルで働いたバイト代でまかなった。

【プレミアムA】ふたつのアメリカ 分極社会

アメリカが割れている。人種や世代、住む場所にとって「あちら」と「こちら」に分かれ、互いに交わらない。11月の大統領選を前に、「夢見るハタチ」と「忘れ去られた男」の2人を通して、アメリカ社会のいまを描きます。

 新型コロナの影響で、ブロードウェーは来年5月末までの公演中止が決まっている。チャパさんはそれでも、ニューヨークにとどまっている。ファストフード店でアルバイトし、5ドルのオンライン・ダンスレッスンを受けながら、「いつかチャンスがくる」と信じて。

 彼女と初めて会ったのは、6月19日のことだった。

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