「手際良すぎる」 核のごみ応募、ひそかに動いたのは…

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伊沢健司 斎藤徹 松尾一郎
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 「核のごみ(原発から出る高レベル放射性廃棄物)」の最終処分場の選定プロセスへの応募を8日に表明した北海道寿都町と、9日に表明する神恵内村。道内でも同じ地域の2町村での応募検討は8月から9月にかけ、タイミングを計ったかのように明らかになった。ほとんどの住民には寝耳に水の話だ。しかし、2町村ではごく一部の関係者が周到に準備を進めていた。

 寿都町で町長や町議全員、産業関係者らが参加する「エネルギー政策勉強会」が始まったのは昨年4月。同町は風力発電の売電に力を入れている。再エネの固定価格買い取り制度(FIT)の見直しによる収入減に備え、北海道経済産業局の担当者を招き「勉強」する、というのがもともとの趣旨だった。

 昨年10月の勉強会の後、片岡春雄町長が経産局に、前年の胆振東部地震を念頭に、地域の地盤を調べられないか尋ねた。そこで突然持ち上がったのが「核のごみ」の最終処分場だ。国の選定プロセスの一環で地域のボーリング調査が行われ、地盤について調査されることが説明された。

 その後の勉強会は「核のごみ」の説明が続いた。今年6月、新型コロナウイルスによる移動制限が解除されると、NUMO(原子力発電環境整備機構)の担当者が東京から訪れ、選定プロセスを詳しく説明。「突然、核のごみの説明が始まって驚いた」と町議らが戸惑う間もなく、片岡町長はその後の町議会全員協議会で処分場選定への応募に前向きな発言を繰り返し、8月13日に応募を表明した。

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 寿都町から70キロほど離れ…

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