生きることは想像力を絞ること 大江千里さんNYで思う

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大江千里さんコラム「NY 今を生きる」

大江千里さんがコロナ禍のNYで感じたことをつづります。「ピアノと鉛筆と譜面があれば…」

 コロナ前の当たり前の日が奇跡のようなものだったと今は思う。救急車のサイレンの音が鳴り響き、情報が錯綜(さくそう)した先の見えない時間。だが、慣れてくるとコロナ生活も悪いことばかりじゃなかった。

 手洗い殺菌うがいを徹底することで風邪をひきにくくなったし、毎日1万歩歩き、ある材料で自炊し、部屋のあちこちを掃除して、ピアノを練習すると気持ちが落ち着く。

 愛犬ぴとの時間が増えて「絆」が深まった。目の見えないぴはコロナ前は周りを怖がっていたが、今はボディータッチでパパが杖となっていることを理解し元気が戻った。チキンの胸肉やブロッコリーなど、パパの編み出すヘルシーメニューも大好物。

 パパは家にいる時間、エッセンシャルワーカーの人たちへ向けて演奏したり、この状況の中で離れ離れでいなきゃいけない人たちのために曲を書きおろしたりして、映像をつけSNSにアップした。思いついたら即行動のスピードが増す。映像の技術や要領は知らないことだらけだが、試行錯誤で学んだ。

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連載大江千里の「NY 今を生きる」

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