「ウォー」と動物の声、血だらけ女性…住宅街に突如クマ

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高橋杏璃 加賀谷直人
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 秋田県藤里町藤琴で7日昼過ぎ、町内に住む80代の女性がクマに襲われ、頭蓋骨(ずがいこつ)が折れるなどの重傷を負った。女性が倒れていた現場は町役場の200メートルほど北の住宅街で、県警は付近の住民に注意を呼びかけている。

 能代署によると、7日午後0時10分ごろ、けがをした女性を見つけた人から「更地で倒れている女性がいる」と119番通報があった。女性は発見時には意識があり、「クマに襲われた」と話していたという。ドクターヘリ秋田市内の病院に搬送後、頭蓋骨が折れ、顔面の右側にも傷を負っていることがわかった。

 被害を受け、町職員と猟友会が現場付近をパトロールしたところ、近くを流れる藤琴川沿いの草地で、クマらしき足跡が発見された。川から街中へ入ってきた跡と、川の方へ戻っていった跡の二つが確認されたことから、猟友会はクマがすでに付近から離れたとみている。8日は捕獲のため、クマが戻っていった先にある畑にオリを設置する。

 近くの藤里小ではこの日、児童が1人で歩くことのないよう、保護者を迎えに呼んだり、教諭が付き添ったりして下校した。今週中は同様の措置を続ける。また藤里保育園でも、公園での遊びや散歩は当面の間控え、園内の窓に鍵をかけるなどの対策をとる。

 県警地域課によると、今年に入り県警に寄せられたクマの目撃情報は776件(10月6日現在)で、前年同期の614件よりも多くなっている。また、人身被害は重傷が2人、軽傷が5人だが、いずれも山菜採り中に襲われるなど山林がほとんどだった。

 住宅街での被害は、8月29日に鹿角市花輪の市道で帰宅途中だった男子高校生が左ひざを引っかかれて軽傷を負った事例以来、2件目という。(高橋杏璃)

現場にはナップザックと大量のクリ

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 クマが人を襲ったのは役場や…

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