落合監督時代に学んだ危機管理 高橋聡文、信じずゴメン
竜党のつぶやき 中日ドラゴンズへの深すぎる愛
中日ドラゴンズファンのみなさん、こんにちは。長期政権の安倍首相が急に辞任した9月、「これ、ひょっとしたら奇跡の逆転優勝がある?」との思いが心をよぎった人はいますか。
そう、竜党なら誰でも知る「政変が起きた年はドラゴンズが優勝する」というジンクス。でも強い巨人が優勝へのマジックナンバーを順調に減らしていて、さすがにそれは現実味がない。8年ぶりにAクラスに入れたらうれしいことは確かだが、今年のセ・リーグはクライマックスシリーズ(CS)もなく、正直なところ、さほど気分が盛り上がるわけでもない。
毎週火曜日の朝に、中日ドラゴンズにまつわる話題をお届けします。コラム「竜党のつぶやき」は毎月第1火曜日に配信します。
ただ、コロナ禍で変則日程だったうえに、早々と優勝が遠のいたおかげで、寒い10月末までこうして野球がのんびり楽しめる。これも悪くはないな、という穏やかな満足感にいまは浸っている。
コラムの第1回で、毎年続く竜の「ひまな秋」を嘆いた。
でも、逆も言える。CS、日本シリーズへと忙しくなる10月11月の野球観戦がもたらすのは歓喜か失意か、どちらかだ。敗れ去れば、シーズンで積み重ねた喜びの記憶まで落胆で上書きされ、オセロのように黒に裏返る。日本シリーズに敗退すれば、ペナント制覇は完全に色あせてしまう。
2004年10月25日。自分の中に、大げさに言えばある種の「危機管理意識」が生まれたのはこの日だった。「野球の結果」で心が壊れ、人生が変形しないように注意しないといけない、と。
西武との日本シリーズ第7戦。前日第6戦の逆転負けに続き、この日も敗れ、日本一を逃した。ほんの1時間半前、ドームの空高くに描かれたカブレラの、試合を決定づけるホームランの放物線が頭から離れないまま、名古屋の繁華街をふらふらと歩いていた。
「心が壊れそう」だった。「落合マジック」が霧散し、影も形も消えてしまったと感じていた。
就任1年目の落合監督は開幕…
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