失言、届いた切腹もなか 「箕部幹事長」と二階氏の違い

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聞き手・神田大介
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【朝日新聞ポッドキャスト】 無派閥首相と派閥

 あの妙な会見を覚えていますか。自民党総裁選を控えた9月2日夕、細田博之麻生太郎竹下亘の3氏がそろい、競うように菅義偉氏への支持をアピールしました。それぞれ細田派(98人)、麻生派(54人)、竹下派(54人)の会長。会見は他派閥に先駆けて「菅氏擁立」の流れをつくった二階派に対する巻き返し、と受け止められました。総裁選は菅氏が圧勝しましたが、派閥政治を隠そうともしない姿が印象に残りました。

 菅氏自身は無派閥です。でも派閥の力で勝ったように見えます。いったい派閥って何なのか。秋山訓子編集委員に解説してもらいました。朝日新聞ポッドキャストでお聞き下さい。主な内容は次の通りです。

・自民若手、「3派閥の長」会見にブーイング

・二階幹事長、「箕部幹事長」とは違う?

・失言した議員に送られた「切腹もなか」

・菅首相、派閥政治をぶっ壊す?

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音声の主な内容をテキストでも確認していただけます(音声の内容をそのまま書き起こしたものではありません)

     ◇

Q:派閥って何でしょうか?

A:自民党の中で政策や理念の似た考えの人たちがつくる集団のことで、本来、派閥の長は未来の総裁選の候補なんです。

 派閥の全盛期は中選挙区制の時代。小選挙区制になってからは、同じ政党からは一つの選挙区に一人しか出ません。ですが、中選挙区では同じ政党から何人も候補が出ました。その時に色々な派閥の人が出て争うから、党内で争いが激しくなり、派閥をあげてその人を応援していたんですよ。

 ただ、1996年の衆院選小選挙区比例代表並立制になってからは、党が運営する選挙という色が強くなった。なので、派閥の力はすごく弱くなりました。今、派閥の長は必ずしも総裁選の候補ではありません。無派閥の人がすごく多いのも特徴です。

Q:菅さんのような人が増えているんですか?

A:そうですね。派閥の力を借りなくてもいいと。派閥は毎週木曜日のお昼に集まって、お昼ごはんを食べながら情報交換をしています。菅さんを囲む若手・中堅のグループ「ガネーシャの会」や、他の無派閥の人たちの「無派閥連絡会」も、同じように集まっています。党の人事があると、派閥の推薦枠というのがあって、大体「適齢期」といわれるような人を「お願いします」と派閥ごとに出したりするんですよ。

Q:「適齢期」は大体どれくらい?

A:今回大臣になった中だと、平沢勝栄さんは当選8回ですが、これはすごく遅いほう。菅さんがはじめて総務大臣になって入閣した時は当選4回で、これは早い。大体5~7回ぐらいでしょうか。

Q:小選挙区制になってもう長いです。派閥って、なぜ生き残っているんでしょう。

ここから続き

A:やっぱり便利なんですよ…

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