「子ども強く殴る、怖い」母親が同僚に相談 2歳衰弱死

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榧場勇太 前田健汰
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 交際相手が子どもを殴って怖い――。札幌市の池田詩梨(ことり)ちゃん(当時2)が衰弱死したとされる事件で、傷害致死と保護責任者遺棄致死の罪に問われた藤原一弥被告(25)の裁判員裁判が1日、札幌地裁であった。詩梨ちゃんの母親の莉菜被告(22)=保護責任者遺棄致死罪で起訴=から、藤原被告の暴力を打ち明けられたという同僚が証言台に立った。(榧場勇太、前田健汰)

マンション住人「泣き声が昼夜問わず聞こえてきた」

 午前の審理には、藤原被告と莉菜被告、詩梨ちゃんが同居していたマンションの上の階に住んでいた男性が出廷し、「昨年2月ごろから、子どもの泣き声が昼夜問わず聞こえてきた」と証言した。「ギャー」というような泣き声で、一度に10分ほど続き、ほぼ毎日聞こえてきたという。

 検察官から泣き声がしたときの様子を問われると、「『うるせえ』という男性の声のあと、『ドン、ガンガン』といった物をたたきつけるような音がして、子どもの泣き声が聞こえた」と説明した。泣き声のあとには「女性の『キャッキャッ』という笑い声も聞こえた」と述べた。

 詩梨ちゃんが心肺停止状態で発見されたのは昨年6月5日。証人の男性は「6月1日ごろから静かになった」と話した。男性と同居する女性が泣き声や物音で夜眠れなくなるほどストレスがたまったため、4月5日に札幌市児童相談所に通報していた。男性は「いじめや虐待があるのではと思った」と振り返った。

 一方、弁護側は男性が証言の中で数回、子どもの泣き声を「女の子の泣き声」という言い方をしたことに疑問を呈し、「男女の区別はついたのか」とただした。男性は「男か女かはわからなかった」と答え、「あとで事件を知って女の子だと思い込んだのでは」との質問には「それはないと思う」と証言した。

莉菜被告の同僚「吹っ飛ぶくらい強く殴る」

 午後には、莉菜被告が働いていた札幌・ススキノの飲食店の同僚ホステスへの証人尋問があった。詩梨ちゃんが亡くなる2週間ほど前に、莉菜被告から「(藤原被告は詩梨ちゃんが)吹っ飛ぶくらい強く殴る」と聞いた、と証言した。

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 証言によると、女性と莉菜被…

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