なぜ古刹にれんがの異空間? アーチで交わる文化の流れ
文・田中章博 写真・小杉豊和
緻密(ちみつ)に組まれた煉瓦(れんが)の直線と曲線の造形美。謎めいた雰囲気に多くの人が吸い込まれていく。古刹(こさつ)にいることを忘れてしまった。
京都・東山の山裾にたつ臨済宗南禅寺派の南禅寺は、歌舞伎の石川五右衛門が大見えをきった三門で知られる。
そこから少し歩くと煉瓦(れんが)が見えた。長さ約93メートル、幅約4メートルの水路閣だ。アーチ型の13基の橋脚は古代ローマさながらで、織りなす光景は合わせ鏡のよう。山村美紗や松本清張原作のドラマにも登場し、京都アニメーションのアニメ「けいおん!」にも描かれた。
着物で撮影を楽しむ女性が多い。取材に訪れた日、居合わせた着物姿の2人組は「煉瓦の落ち着いた感じにすぐに惹(ひ)かれました」と話した。
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アーチをくぐって石段を上が…
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