「正代は強くなる」 亡き時天空さん、病床での思い

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波戸健一
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 大相撲秋場所で初優勝した関脇正代(28)=本名・正代直也、熊本県出身、時津風部屋=が30日、大関に昇進した。昭和の大横綱、双葉山が興した時津風部屋からは、およそ半世紀ぶりの大関誕生になる。前相撲から6年半をかけての大願成就は、この部屋でともに汗を流した亡き兄弟子の存在が欠かせない。

 元小結の時天空(ときてんくう)慶晃さん。2017年1月31日、悪性リンパ腫のため37歳で亡くなった。正代にとっては東京農大の先輩で、入門後は長く付け人を務めた。モンゴルから相撲未経験で来日し、大学に通いながら関取昇進を果たした時天空さん。学生横綱のタイトルを持って角界入りした弟弟子への期待は大きく、正代は厳しく鍛えられた。

 「動けなくなるまで(稽古を)やってやったよ」。正代が「黒まわし」の頃、時天空さんが満足そうにそう語っていたことを周囲は覚えている。現役の晩年、力をつけた正代に稽古場で勝てなくなった。病気の影響で休場が続き、最後は番付も抜かれてしまう。それでも、体が続く限り稽古場に立ち、熱心に胸を出して正代を強くした。

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 16年8月に現役引退。時津…

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