「具体」という前衛集団が育てた表現とは 大阪で4人展

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田中ゑれ奈
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 1954年に兵庫・芦屋で結成された前衛美術集団・具体美術協会。会員たちは72年の具体解散後も、それぞれ独自にスタイルを展開していった。大阪市北区のアートコートギャラリーで開催中の「Small Works 1950s-2020」展では、4人の元会員による新旧作のコラボレーションが、具体というグループが育てた表現の幅広さを実感させる。

 創設メンバーの一人、正延(まさのぶ)正俊(1911~95)は、初期の具体がパフォーマンスやアクション、実験的な素材を取り入れた絵画などで注目される中、油彩による抽象絵画を追究し続けた。

 油絵の具を厚く塗り重ねてペインティングナイフで削るなどした複雑な絵肌で知られる正延は、60年代初めごろからエナメルを取り入れるようになる。その一つ、67年の作品では黒地にクリーム色のエナメルで波線が何重にも描かれ、エナメルの垂れがテキスタイルのパターンのような一定のリズムを生んでいる。

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